「深雪」

「あ、ちょっと待ってね」

風野くんは授業が終わるとすぐに私を迎えに来てくれる。

最初はみんなにひやかされたりしたけど、みんなももう慣れたみたい。

「支倉ー」

「なに?」

「明日の数Uの7番、俺の次だからあたるの支倉だよ」

「えっ嘘っ」

数Uの7番って全然わかんなかった難しい問題!

「蓮見くん、明日教えて!」

「いいよ」

「ありがと〜」

明日の数Uも大丈夫みたいだし、やっと帰る準備ができたから急いで風野くんのところに行く。

「ごめんね」

「ん、別に…」

「風野くん?」

いつもはもっとしゃべるのに、今日はじっと黙って歩いてる。

なんか、不機嫌?

「どうかしたの?」

「…アイツって何なの?」

「アイツって…あ、蓮見くん?すっごく頭いいんだよ」

「へぇ」

「出席番号私の前だから、明日難しい問題あたるってわざわざ教えてくれて」

優しいし、見た目もわりとかっこいいから人気あるんだよね。

「…ふーん、深雪に気があるんじゃねぇの」

「ないよー!すごく可愛い彼女いるもん。それに、蓮見くんは誰にでも優しいし」

彼女の宮原さんも優しくて可愛いので有名。

「…あっそ」

風野君が照れたようにそっぽ向くから、

「もしかして、ヤキモチ妬いてくれた?」

なんて。

「そうだよ」

「本当?」

「…だったら悪ぃかよ」

……………

『もちろん嘘☆』

てっきり、いつもと同じ言葉が返ってくると思ってた。

でも返ってきた言葉は予想外のもの、だったら

「悪くないよ、嬉しい」

「…あっそ」

また、照れたようにそっぽ向く風野くん。

なんか可愛いな、いつもはかっこいいのに。

「俺だって、学年が一緒だったら数学ぐらい教えてやれるし」

「風野くん、頭いいもんね」

いつもと違う風野くんに思わず頬が緩む。

「…何笑ってんだよ」

「え?風野くん可愛いなって」

「なっ!男に言うセリフじゃねーだろ!」

「大丈夫だよ、いつもかっこいいから」

「…あー!もう、んだよ。あれだけで嫉妬してる俺、馬鹿みてーじゃん」

「そんなことないよ。嬉しいってさっき言ったはずだよ?」

「う……」

たったあれだけのやり取りで妬いてもらえるなんて、それだけ私を好きでいてくれてるって思っていいよね。

「風野くん」

「…なんだよ」

「私だっていつもヤキモチ妬いてるんだからね」

「な…!」

「じゃ、バイバイ」

「は、おい深雪!?」

本当のことだけど面と向かって言うのは恥ずかしいから、今日は言い逃げ。






〜END〜


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深雪の心情書けねーーー!ずっと攻略キャラ目線で書いてたからなぁ…

蓮見くんは成り行き上、出て来ただけなのでこれから出す予定はないけど頭のいい人を出すときは使うかもしんない。

支倉の1つ前の名前で考えて1番に出てきたのは長谷川、次が橋本、その次が野原でした。

頭の良い長谷川も橋本も周りにいたので却下、野原はクレヨンしんちゃんみたいで嫌だったので蓮見になりました。

宮原さんはホント書いてるときのノリで出てきたので卯月もびっくりです。蓮見くん、彼女ができて良かったね。

背景のシクラメンは花言葉のうちの1つが嫉妬だそうです。