「ねぇ、風野くん」

「ん〜…なんだよ」

呼びかけたら眠そうな声が返ってきた。

「人の頭ってね、体重の10分の1の重さなんだって」

「…だから?」

「重い」

「負けたんだからしょうがねーだろ」

「うぅ」

そう、今私の膝の上には風野くんの頭が乗っている。

さっき言ったとおり人の頭って結構重い。足痛い。なにより…恥ずかしい!!!

あー、なんでこんなことに…




「風野くん!」

「おー、どうした?」

「オセロしよう!」

「は?なんで?」

「今、クラスで流行ってるの」

「ふーん…」

それぞれがオセロを持ってきてトーナメントまでやったぐらいだ。

「私クラスで3位だったんだよ」

「へぇ、すげぇじゃん」

「というわけで勝負!負けたら何かいうこと聞くってことで」

「そりゃいいな、深雪は俺に何して欲しいわけ?」

「ふふふ…これ!」

そういって差し出したのは安くておいしいって評判のケーキ屋さんのチラシ。

しかもカップル割引なんて彼氏がいるのに行かないわけないでしょ!

「けーきばいきんぐ?」

「そう!一緒に行こっ」

「(普通に誘ってくれても行くけど)いいぜ。深雪が負けたら膝枕な」

「えっ」

膝枕…

「か、勝つから!」

「おし、んじゃやるか」



パチ…



パチ、パチパチ…



パチ、パチ…



パチパチパチ…



パチパチパチパチン!



「決まりだな」

「ま、負けた…」

29対35で風野くんの勝ち。

「途中までは勝ってたのに…」

「4角取ったからって勝てるとは限んねぇってことだな」

「う〜…ケーキ…仕方ないから桜葉くんと行こうかな…」

風野くんと行けなくてもカップル割引は惜しいし。

「は!?なんで!?」

「なんでってカップル割引だから」

「(カップル!?)行く」

「え?でも」

「行くっつたら行く」

気が変わった理由はよく分からないし、そもそも負けたんだけど風野くんが行ってくれるならそれが1番嬉しい。

「ありがとう!」

「ま、とりあえず膝枕な」

「うっ」




あそこであっちに置いとけば勝てたかなぁ。

「そういえば何で膝枕なの?」

「あー…漫画で読んだのと…深雪が恥ずかしがるかと思って…」

「確かに恥ずかしいけど。漫画とかだともっとさらっとやってるよね」

「まぁ…漫画の中と現実は違うだろ…愛の重さだと思って耐えろ」

「愛の重さって」

珍しいことを言う風野くんに思わず笑みがこぼれる。でも重い。

風野くん60kgは無さそうだけど55kgぐらいはあるよね。ってことは5kgちょっと?

「ねぇ、さっきって…」

「……」

「風野くん?」

「………」

「寝てる?」

「…………」

「寝ちゃったかぁ」

ますますおろせなくなっちゃった。



風野くん曰く、膝枕の重みは愛の重さみたいです。






〜END〜


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初めてタイトルに【君】がない。愛の重さが5kgちょっとって微妙だよね、重いんだけどそこまで重くなくない?ぐらいな。

最近買った小説に膝枕と腕枕は長くできないって書いてあったのと、テレビか何かで「人の頭〜」を見たので。

卯月も深雪ちゃんか千鶴ちゃんに膝枕してほしい(・ω・´)きっと風野はオセロとか得意なはず。

「桜葉くんと〜」が天然か計算かは判断にお任せします。この文だと天然っぽいけど。

もし見てくださった方がいればできれば、できれば!感想お願いします。