「支倉さん」

「穂波くん、はいハッピーバレンタイン!」

「ありがと、後で美味しく食べるよ」

「うん」

バレンタインだからチョコを渡したけど何かおかしい。

穂波くんはいつもどおりなんだけど、いつもどおり…

「穂波くん」

「何?」

「チョコは?」

「僕からの?」

「そうじゃなくて…他の女子からの」

「ああ、貰ってないよ」

「嘘!」

あんなにモテるのに?

「嘘じゃないよ、断ったからね」

「なんで?」

「なんで…って、君は僕に他の人から貰ったチョコ食べて欲しかったの?」

「…欲しくない」

「君以外からは貰っても嬉しくないし」

さらりと当たり前のように言われた言葉に顔が熱くなる。

「君は?」

「え、何が?」

「僕以外、誰かあげた?」

「…………」

…あげた。

「あげたんだ?誰に?」

「桜葉君と秋山くんと葵先輩と風野くんと女の子の友達…」

「…多いね。しかもルナにもあげたの」

「嫌だった?」

「そうだね。面白くはないかな」

「ご、ごめんね…でも本命は穂波くんだけだから」

「…しょーがないな、そんな可愛いこと言われたら怒れなくなるでしょ」

少し嬉しそうに笑って、手を差し出す姿が凄く自然でものすごく様になってた。

「ほら寒いし帰ろ。ホワイトデー、楽しみにしててね?」

嬉しくて、私は差し出された手を躊躇いもなく取った。

「うん」






〜END〜


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全部断ったって大変だろーなー。机に入ってたのとか置かれたのはどうしたんだろうねぇ。

逆チョコは最初穂波でやろうと思ってた。だって外国の血入ってるし、外国に住んでたし。

結果は一緒だけど全部断った穂波は風野と逆パターン。