俺と深雪は俺ん家で飯食った後、俺の部屋でのんびり過ごしていた。
深雪が引っ越してからしてなかった意地悪をしてみようと思い立ったのはつい先日。
「なー深雪ー、昨日録画したテレビ見ていいか?」
「いいよ。何見るの?」
「まぁ、見てからのお楽しみってことで」
「?うん」
そこでつけたテレビはいわゆるホラー。
小さい頃からホラーが苦手な深雪は一緒に見るたびに怖くて俺にくっついてくる。
それが可愛くて、繰り返し一緒にホラーを見た。それが原因でホラーが嫌いになったんだと思う。
「きゃ…」
タイトル画面見て小さく悲鳴を上げる深雪、無意識だろうが俺の腕を掴んでいる。
いつもあんまり頼ってくれないからちょっと嬉しい。こんなことでしか頼られねーってのには情けなく思うけど。
「桜葉くんわざとでしょ!」
そう言う声も震えてる。
「深雪、まだホラー怖かったのか?」
「さ、桜葉くんが小さい頃からこんなのばっかり見せるかっきゃぁ!」
丁度、死んでるはずの死体が動き出して屋敷を訪れた人を凄い形相で睨んで足を掴んだところだ。
『キャハハハハハ…!』
「やっやだ!」
今度はなんとか逃げ出した男を姉妹…双子?の女の子2人が笑いながら追いかけてる。
深雪は目を潤ませながら、俺の腕を掴んでテレビを見てた。
怖いのなら見なきゃいーのになー、見せてるのは俺だけど。怖いもの見たさってやつ?
「大丈夫だって、こっちまで来ないし」
「だ、だって……いやぁぁっ!!」
風呂場に入った男(なんでこの状況で風呂場になんか行くんだよ)が浴槽の横を通ると、
びしょ濡れの女が浴槽から飛び出してきた。
浴槽からは出てないけど体を前に倒して男を捕まえようとしてる。
「やだやだやだっ、かっちゃん〜」
カタカタと震えて俺にしがみつく。
こんなホラーより黒陵館学園での出来事のほうがよっぽど怖かったと思うんだけどなー…
「お願い、もう止めて…」
今にも泣きそうな顔してるしさすがにやり過ぎたかな。
止めたけど一足遅く、画面が消える前に奇声を発する女がアップで映った。
「やぁぁぁぁ!!!」
怖さに耐えられなかったのか深雪が俺に抱きついてくる。
「え、ちょっ深雪!?」
「かっちゃんの意地悪ー…」
ぽろぽろと涙をこぼす。
「ゴメンゴメン、俺が悪かった」
選んだチョイスもミスったかな…
「怖くて一人で寝れないよ!」
「えっマジで!?」
「桜葉くんのバカ!なんで小さい頃からこんなのばっか見せるの!?」
怒ってても可愛いけど泣きながらだとなんか可愛さが違う気がする。
「深雪が可愛いから?」
「…桜葉くんのバカーー!!!」
立ち上がって逃げようとするけど、阻止して深雪を抱きしめる。
「怖いなら俺がそばにいるって」
「うぅ…」
よく言うだろ?好きな子はいじめたくなるって。
〜END〜
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な ん だ コ レ 。
何だこれは。優しい桜葉くんはこんなことしないと思う。
そして終わらせ方が分からなくなって最後微妙。
こんな桜葉でもいい!という方(いないだろう)こんなの桜葉じゃない!という方(まず皐月から文句言われそうだ…)
両方意見受け付けます。是非感想をお聞かせください。