恋人たちも浮かれるクリスマス。

大好きな彼氏とデートとなるとやっぱり私も浮かれるわけで

「風野くん、メリークリスマス」

「お…おう」

「どうしたの?」

「いや…親が親だし、信じてもねぇ神様の誕生日なんか祝ってらんねぇし、金の稼ぎ時ぐらいにしか思ってなかったけどさ…」

「けど?」

「やっぱ…彼女が可愛い格好してクリスマスだからデートしようってのはなんかいーよな」

「か…風野くん」

「ん?何?」

さらっと言った『可愛い』にどれほど私が動揺してるか気付いてるのか、気付いてないのか。

…気付いてるんだろうな。赤くなる私を見て笑ってるし。

「笑わなくてもいいじゃない」

「深雪が可愛いからさ」

「もう…!」

絶対わざとだ…。

「はい、クリスマスプレゼント」

「サンキュ。な、開けていい?」

「どーぞ」

そう言うと風野くんは嬉しそうにプレゼントを開ける。

「うっわ…」

プレゼントを開けて中身のマフラーを見てから風野くんはそれを凝視してる。

…なんだろう。風野くんの欲しいものが分からずとりあえずマフラーにしたが、そこまで間が空くと少し怖くなってしまう。

「なぁ」

「な、何…?」

「これって手編み?」

「…え?あ、うん。編み目汚かったらごめ―――」

言いかけて私は風野くんの顔が赤いのに気付いた。

顔を赤くしてるのについ可愛いなぁと思ってしまう。でも、私の顔も同じくらい赤いんだろうな。

「じゃ、俺から隠してたのもこれ?」

「う、うん」

もちろん私はマフラーを編んでるのを風野くんに隠してた。

というかあげる人の前で編む人なんていないだろう。

…何回かばれそうになったけど。

「…俺の為だったんだ…」

「?」

小さく呟くと風野くんは私を思い切り抱きしめた。

「か…風野くん!?」

いきなり抱きしめられて私は軽くパニック状態。

「良かった〜俺の為で」

「え?」

「なんか隠し事されてるし、ゴーグルのにーちゃんは知ってるし、けっこー不安だったんだぜ?」

「そ、そうなんだ」

ていうか、こんな状態でそんなこと言われても!

「そうだ」

そう言ってようやく離してもらえて少しほっとした。

「俺からもプレゼント」

「えぇ!?」

「えぇ!?って俺どんだけひどいんだよ…」

「だってさっきも信じてもねぇ神様の誕生日なんか祝ってらんねぇって言ってたし、そういうのないと思ってた」

「彼女にプレゼントぐらいあるっつの!ほら」

「ありがとう。私も開けていい?」

「いーぜ」

入っていたのは翼モチーフのネックレス。

「わぁ!可愛い…風野くんが選んだの?」

「まぁ…」

「ありがとう!」

「おう。貸せよ、つけてやるから」

「本当?……ねぇ似合う?」

「おー、似合う。可愛いよ」

「あ…ありがとう」

やっぱり『可愛い』は何度言われても照れる…

「前はさ、イチャイチャしてるカップル見てもバッカみてぇとしか思えなかったけど、今は分かるかも」

「風野くん…」

「さ、行こうぜ。お姫様」

「お姫様じゃないもん…」

「はいはい。お姫様だったら会えてねーしな。好きだぜ、深雪」

「わ…私も」






〜END〜


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甘いですね…自分からしたら書ける最大の甘さかなぁ。今のところ。

いいなぁ彼氏。ほしいよ彼氏。好きだよ風野。個人的には「さ、行こうぜ。お姫様」が気に入ってたりします。

マフラー編んで風野にばれそうになる話なんかも書きたいです。