千鶴と付き合って大分経ってるし、更に言うなら出会ってからは家族より長くいるし、
お互い仕事にも慣れて金も貯まったし、そろそろ結婚してもいいんじゃないかと思う。
いつもどおり千鶴の家で千鶴の作った飯食って、二人でゆっくりする。
もう結婚してもいい年だし、
「……で…お千ちゃんが……」
でもプロポーズしようと決めるとやっぱり緊張する。
「……平助君?」
あー、こんなに一緒にいたのに今更緊張するかよ…
「平助君!!」
「っわ!」
いきなり呼ばれてびっくりしたけどもういいや。男は度胸!
「平助君どうしたの?話しかけても上の空だし――」
「千鶴」
「何?」
首傾げててやっぱ可愛いなー。
「そろそろ結婚しねぇ?」
「えっ……」
驚いて固まってる千鶴に少し不安になる。
「い、嫌か?」
「ちっ違うの!その…嬉しくて…」
そういう千鶴の顔は幸せそうに笑ってて
「私を平助君のお嫁さんにしてください」
嬉しそうに泣いてた。
「えー、平助ってば千鶴ちゃんにそんなプロポーズしたの?」
昔からの付き合いの皆に結婚する事を伝えて、何故か総司にプロポーズの話までして、終わったところで言われた。
「そうだけど…なんだよ」
「そこはもっとロマンチックにするところでしょ。ね、千鶴ちゃん」
「え?」
「そうなのか!?ごめん千鶴そこまで考えれなくて…」
肩を落とすオレを見て千鶴はくすくす笑った。
「あのね、平助君。お母さんがプロポーズとか派手に勢い任せにするとね、失敗する夫婦多いんだって」
「?ああ」
「だから、ロマンチックじゃなくてもちゃんと私のことを考えてプロポーズしてくれて私すごく幸せだったよ」
「千鶴…」
「はい、そこー。まわりにみんないるから」
「それぐらいわかってるっつの!」
「ならいいけど」
総司が黙ったところで思いついた。
「だったらさ!結婚式は千鶴のやりたいことをしよう!」
「私?」
「ああ!結婚式といえば花嫁だろ!」
「やりたいこと…」
「平助の歌で入場とか。タタタターン、って」
「んなのするか!っつーかなんで総司の希望なんだよ」
「…じゃあ、そんなに大きくないところで皆を呼んで賑やかな結婚式がいいな」
「そんなんでいいのか?」
「千鶴ちゃんは無欲だね。平助なんだからもっと我侭言えばいいのに」
「おい!オレだからってなんだよ!」
また、言い合いになったところに一君が千鶴に話しかけてた。
「…幸せそうだな」
「はい!」
そういった千鶴はやっぱり嬉しそうに笑ってた。
「千鶴、本当にいいのか?」
「うん。平助君とずっと一緒にいてちゃんと皆に私は平助君と結婚しますって伝えて皆で一緒にいつもどおり騒いで…」
「…そうだな!絶対に幸せにするから」
「今でも充分幸せだよ」
「今よりもっと!」
「もちろん平助君も一緒にね?」
「おう!」
結婚式。知り合いしかいねーけど、ドキドキする。
「藤堂さん、千鶴ちゃん準備終わったわよ」
「あ、ああ」
扉を開けると純白のドレスを身に纏った千鶴がいた。
「………」
「………」
「へ、平助君?」
――見惚れてた。いつでも千鶴は可愛いし、どんな格好でも可愛いんだけど、
一生に一度しか着ない服をオレの為に着てくれて、全部、全部が可愛くて綺麗で愛しくて、見惚れてた。
「千鶴きれ――」
「わぁー千鶴ちゃん可愛いね。本当に平助には勿体無いよ」
「総司っ!」
「沖田さん、ありがとうございます」
はにかんで笑う千鶴はすっげぇ可愛いけど先に褒められた上に総司に向けられたものだと思うと腹立つ。
…って結婚すんのにこんなんでどうすんだよ!落ち着け落ち着け…
「千鶴。似合ってる、綺麗だ」
「平助君…ありがとう」
総司のときより千鶴は可愛く笑って、さっきの微妙な気持ちなんて吹き飛んでオレって幸せ者だなと思う。
「平助君もその…似合ってて見惚れちゃった」
「そうか?」
「うん。すごくかっこいい」
「そっか、ありがとな。じゃあ行こうぜ、千鶴」
千鶴の望んだ皆のいる結婚式。
「うん!」
〜終〜
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現パロの平千でプロポーズから結婚までです。SSLの大人版ぐらいの設定で。なんかグダグダになってしまった…
「…幸せそうだな」は一君のつもりで「藤堂さん、千鶴ちゃん準備終わったわよ」はお千ちゃんのつもり…
それ以外は全部沖田さんです。左之さん&新八っつぁんも迷ったんですけど沖田さんで。沖田さん、自分もロマンチックにはしないだろうなー。
歌で入場のアイディアは卯月ママのアイディアです。面白そうですけどね、新郎の歌で入場。
派手なプロポーズ〜も卯月ママです。あくまで卯月ママが言ってるだけなので信じないでください。
口調、呼び名など間違ったところがあればご指摘&ご感想お願いします。