お父様とお母様が私を置いて旅行に行ってから毎日公務に追われ、
いくら傍にカーティスがいてくれてもさすがに疲れる。…いや、カーティスのせい?それに今は――
「…ふぅ」
「お疲れですか?」
「…カーティス。そりゃ疲れるわよ、毎日毎日公務ばっかり」
「大変そうですねぇ」
「そう思うなら手伝いなさいよ!」
「嫌ですよ。僕には可愛い奥さんを守るという仕事があるんです」
「その可愛い奥さんが大変なんでしょっ」
――――そう言ったときカーティスの殺気が一瞬、身体を掠めた。
「ほら、やっぱり手伝うより守っていないと」
「〜〜〜っ」
「これで今日5匹…間違えました、5人目ですよ?」
「…そうね、ありがとう」
「いえいえ、可愛い奥さんを守るのが夫の役目ですから」
「私だけじゃなくて子供も守ってね?」
「…もちろんです!可愛い奥さんと可愛い子供たちを守るのがお父さんの役目ですもん!」
こんなにキラキラしながら元暗殺者が家族の話をしてるなんて誰が思うかしら。
「それじゃ、生まれてくる子供のためにもまずは私を守ってね」
「はい!」
――この子もいるしね。
「ところでアイリーン。もうそろそろ産まれるはずですが休まなくていいんですか?」
「だって信用できる部下に仕事を任せても捌けないくらい仕事が多いんだもの」
「もう産み月だというのにアイリーンに仕事を増やすなんてどこのどいつですか。僕が殺してきましょう」
「ダメダメダメッ!国を管理してるんだから当たり前でしょう!子供が産まれるくらいで仕事が減るわけないわ」
「僕は国よりあなたのほうが大事です」
またそんなサラリと…
「とっとにかくダメ!たかだか出産くらいで国を滅ぼさないで!」
「たかだかじゃありませんよ!母子共に無事であるという保障もないのに!」
心配してくれてるのは分かるけど…
「大丈夫よ。悪阻も酷くなかったし、人よりも体力はあると思うし痛みにもそんなに…」
「砂漠や洞窟ではすぐに倒れてたじゃありませんか」
「そんなの最初のうちだけじゃない」
「っですが!」
「もう!私なら大丈夫だってば。知ってる?力では勝てないけど、いざというとき男より女のほうが強いのよ?」
「…そうですね。あなたはそんな感じがします」
「そうでしょう?って何笑ってるのよ」
カーティスが少し抑えてるけど笑っている。
「いえ…あなたを見てると本当にそうだと思いますよ」
「それは褒め言葉かしら?」
「ええ、もちろん」
「そう」
カーティスと話してて少し遅くなったけど今日の分は終わったし片付けよう。
「アイリーン」
「!な、何?」
「あなたを信じますから、早く元気な子供とあなたの顔を見せてくださいね?」
心臓に悪いから耳元で囁かないでほしい…
「分かってるわよ。もちろん、元気で可愛い子を産んでみせるわ」
「楽しみにしてます」
本当は少し怖いけど、こんなに心配性の夫がいたらおちおち不安にもなってられないわね。
〜END〜
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初アラロスです。カーティスが大好きです。愛してます。
よくよく考えたら卯月の石田さん好きはカーティスが始まりな気がする。
そしてクインロゼの乙女ゲーム大好きです。ほとんど持ってます。
アラロスは初めてやった乙女ゲームなので思い入れ強いので1番増えるかと思われます。